
営業マンなんですが、受注できません。今月も売上げ未達成です。どうしたら達成できますか?
営業マンは、目標達成してなんぼの世界。達成すれば楽園、未達成ならヤクザのように詰められる厳しい世界。



予算達成率30%とか、どうしようーもないですよね…「あんたら上司のせいだよ、しっかり予算組めよ」と、言いたくなります。
でももし、簡単に成約率を高める方法があったら、試してみたいと思いませんか?
そこでこの記事は、Webコンサル4年の私が、業務で使えるSPIN話法をご紹介します。
この記事をみれば、SPIN話法の効果と使い方がわかります。結果、受注率があがり、6月の営業成績を達成できます。


<プロフィール>
- 2020年3月からAudible
- SEO検定1級合格
- 東証スタンダード会社員
実績&資格(クリックで開く)






SPIN話法とは?具体例で分かりやすく解説
※動画をみればSPIN話法の概要がわかります
SPIN話法とは、ヒアリングのフレームワークです。
- Situation(シチュエーション):状況質問
- problem(プロブレム):問題質問
- Implication(インプリケーション):示唆(しさ)質問
- Need-payoff(ニードペイオフ):解決質問
SPIN話法を使うことで、お客さんが「気付いていない問題」を発見できます。



気づいていない問題を提案して、その場で改善案を出すことで、受注率が上がるロジックです。
SPIN話法は、緊急度が高い悩みを提案できるほど受注率があがります。そのため、SPIN話法は、営業マンにとって、売り上げを高める強力なフレームワークと言えます。
SPIN話法のメリット
SPIN話法のメリットは、押し売り感なく、提案できること。
なぜなら、一方的な提案にならないからです。
例えば、接客がしつこい服屋さん。ゆっくり服が見たいのに、話しかけてくる店員さん。



今すぐお店を出たくなりますよね。
そもそも営業は「いらない提案」がほとんど。受注が少なくて当然です。
「営業の電話があったから、断りきれず打ち合わせ…」こんなケースが多いので、失注するほうが多いのは仕方がないことです。
SPIN話法は、一方的な提案ではなく、お客さんが把握していない問題を見つけ、改善案を提示するフレームワークです。
そのため、押し売り感がございません。提案をまじめに聞いてくれるので、受注率も高くなります。
SPIN話法のデメリット
デメリットは、お客さんとの関係構築が必要なこと。
なぜなら、関係がない初対面でSPIN話法を使うと、不快に感じる人もいるからです。
例えば、初対面の営業担当者に「売り上げはどうなっていますか?」と聞かれると、一部の人は不快に感じるでしょう。
初対面のお客様にSPIN話法を使用したい場合でも、「本日は、課題についてお聞きしたいのですが、よろしいでしょうか」と、最初に許可を得ることが重要です。
丁寧な言葉遣いを使用することで、不快感を避けることができます。
SPIN話法の使い方【例文あり】


SPIN話法の使い方は、S→P→I→Nの順に、ヒアリングするだけ。
ポイントは、自然に「状況質問」に持っていくこと。押し売り感が出ると、警戒されてしまいます。



アイスブレイクで状況質問(現状と理想の質問)を話すと、自然に会話が進むのでオススメです。
ここからは、SPIN話法の使い方を「車を売りたいクライアント」を例に記載します。
状況質問(現状と理想の質問)
状況質問とは、「現在の状況」と「理想的な状態」について尋ねることです。
現在の状況と理想的な状態のギャップが「課題」となります。
SPIN話法は、「お客様自身も気づいていない課題を見つけることが目的」なので、状況質問は非常に重要です。



以下、例文をそのまま使ってヒアリングしてみましょう。
例文
あなた「差し支えなければ「理想の販売台数」と「今の販売台数」を教えていただけますか?」
クライアント「月5台売りたいんだよね。でも、今は月1台しか売れてないよ」
課題を引き出すのに有効な方法が、オープンクエッションです。オープンクエッションとはYES、NOで答えられない質問です。
オープンクエッションを使うと、会話が広がります。話題が広がり情報を多く得られるので、課題が見つかりやすいです。



状況質問の注意点は、商材に関係のある質問をすること
たとえば、車を売りたいのに、パソコンのヒアリングしても意味がありません。また、質問が多いと、尋問のような悪印象を与えますので、多くても3つまでにしましょう。
問題質問(悩みを明確化)
問題質問は、現状と理想の差から「悩みを明確化」する質問です。
状況質問から、具体的な悩みに落とし込むフェーズです。



悩みを達成するには何が必要か、明確にします。
例文
あなた「現状から理想の状態にいくまで、何が必要ですか?」
クライアント「目標は、月5台の注文が欲しい。でも毎月1台しか売れない」
クライアント「もっと見込み客の来店を増やす必要があるけど、お金も人手も足りないんだよね」
あなた「お金と人手が足りないのですね…」
悩みを深く掘り下げるには、クローズドクエッションがおすすめです。
クローズドクエスチョンとは、オープンクエッションの逆で、YesかNoかで答えることができる具体的な質問です。
注意点は、質問を過多にしないことです。なぜなら、尋問になってしまうからです。



クローズドクエッションは3つまでに。
示唆質問(理想の状態になれそうですか?)
示唆質問は、「現在の状態から理想的な状態になることは可能ですか?」という質問です。
「問題質問」によって掘り下げた問題が、将来どのような影響を及ぼすかを伝える段階です。



いま起きている問題を放置すると、1年後どうなるか伝えます。
例文
あなた「今の状態で、今年、来年あたりで、目標達成できそうですか?」
クライアント「…正直、厳しいね…」
あなた「1年後は、さらに電気自動車が普及してくるので、電気自動車への販売シフト計画が必要ですね」



ポイントは、脅し(おどし)すぎないこと。
たとえば、「このままでは店舗が閉まってしまう」とか「社長に解雇されますよ」と脅すと、不信感が増し、逆効果になります。
「改善可能な前提」で、明るい未来(メリット)を伝えることが重要です。
以下の記事は、明るい未来を見つける方法について学べる書籍です。
解決質問(こんな解決法がありますよ)
最後は、解決質問。 「こんな解決方法あります、お時間いただけますか?」という質問です。
あなたの商品で、ギャップを埋めて解決できることを伝え「次回のお時間いただけますか?」と伝えるだけでOKです。
例文
あなた「実は、○○という商品で、人件費を50%カットできるんですよ」
クライアント「なにそれ!教えてよ」
あなた「もしよろしければ、問題解決の提案をさせていただきたく、お時間いただけますか?」
このとき「他社の成功事例」を共有するのがポイント。
「A社も同じことをして目標を達成してます」とお伝えできれば、お客さんの興味がさらに高まります。
比較検討させない【3C+2C分析】



SPIN話法使っても、興味持ってくれなかったらどうするの?
SPIN話法を使っても興味を持ってもらえない場合、提案の価値を高める必要があります。
なぜなら、企業は、損をしたくないので比較検討をするからです。
「商談は順調だったのに、なぜか他社と契約されてしまった…」
このようなケースでは、比較検討が行われ、他社の商品に魅力を感じたために心変わりした証拠。魅力的な商品が見つかれば、顧客の意思が変わってしまうのは当然です。


そこで重要なのは、3C+2C分析(サンシー分析、ニシー分析)です。
3C+2C分析は、従来の3C分析に2Cを加えた分析手法です(上記の画像を参照)。この分析を行うことで、「他社に負けない自社の強み」を強調できるので、比較検討させません。
3C+2C分析をせずに商談した場合、浅い提案になりがち。SPIN話法で課題を出しても「ただのきっかけづくり」で終わってしまいます。
そのため、質の高い提案をしたいなら、SPIN話法と3C+2C分析はセットで行うことがおすすめ。
あなたは(商品)、顧客にどんな価値をあげることができるか、商談でアピールすること。結果、受注につながる可能性が高くなります。
SPIN話法の効果的なトレーニング方法│本


SPIN話法は、セールスやビジネスで活用されています。
しかし、SPIN話法を活用するためには、トレーニングが必要です。なぜなら、商談は、話すことに精一杯だからです。
そこで、SPIN話法がうまくなるトレーニングをご紹介します。



書籍「大型商談を成約に導くSPIN営業術」を参考にしてます。
質問は1つ1つ練習すること
SPIN話法は、質問は1つ1つ練習しましょう。
なぜなら、商談では、4つの質問はできないからです。
商談相手はロボットではありません。感情がある人間。スムーズに4つの質問ができるのは稀(まれ)です。
そのため、状況に応じて対応できるトレーニングをしたほうが、成約率があがります。
「今日のロープレは、Problem(問題)を重点に行う」など、SPINごとに練習を繰り返すこと。結果的に、自然にSPIN話法を活用できるようになります。
事前準備すること
2つ目は、事前準備(質問と回答)をすること。
なぜなら、質問と回答を用意する行為が、頭のロープレになっているからです。
例えば、気になる女性をデートに誘うときは、質問と回答を用意しますよね。そして経験を重ねることで、どんな女性にも応用が利くようになります。



思考することは、頭の筋トレです。
質問と回答を作る手順は3ステップ。
- 仮説を作る(なぜ悩んでいるか)
- 質問を考える(SPIN)
- 回答を用意する
結果的に、SPIN話法が身につき、ヒアリング力がグっとあがります。
ロープレ(筋トレ)
SPIN話法を身に付けるには、なんだかんだでロールプレイングが有効です。
なぜなら、商談はイレギュラーの連続だからです。
例えば、バスケットボール初心者は、レイアップシュートですら成功率は低いです。しかし、プロの選手になれば、ほぼ100%の確率で成功します。
SPIN話法は、一度や二度の短期的な取り組みでは完了しません。筋トレと同じで、身体に身に付けることで、反射的にSPIN話法ができるようになります。
お客さんが気付いていない課題が見つかる【まとめ】


まとめです。
SPIN話法を使うと、お客さんが「気付いていない課題」が見つかります。3C+2C分析とセットで行うと、提案後に比較検討されないので、受注率が高まります。
そうすれば、結果的に、
- 営業目標を達成する
- お客さんとの関係が良好になる
- 社内で肩身が広くなる
といった効果を得られます。
「SPIN話法と3C+2C分析」を使えば、今までかかっていた「商談準備時間」が節約。
残業を減らしながら商談数が増え、受注も増加するでしょう。
それって、とっても良くないですか?