営業は成果がすべての厳しい世界です。
成績が良ければ社内で評価され、働きやすい環境が得られます。
一方、目標を達成できない日々が続くと、上司から強いプレッシャーを受けることになります。
ですが、SPIN話法を身につければ、成約率を上げることができます。
この記事では、書籍『大型商談を成約に導く「SPIN」営業術』をもとに、SPIN話法の具体的な使い方と、その効果を紹介します。
この記事を読めば、わずらわしいロールプレイが不要になり、商談準備もずっと楽になります。
この記事を書いている人

- Audible利用歴5年
- SEO検定1級合格
- 東証スタンダード会社員










SPIN話法:課題を明らかにするフレームワーク【4ステップで実践】

SPIN話法とは、4つのステップで「課題を明確にするフレームワーク」です。
- Situation(シチュエーション):状況質問
- problem(プロブレム):問題質問
- Implication(インプリケーション):示唆(しさ)質問
- Need-payoff(ニードペイオフ):解決質問
①から④の順番でヒアリングしていくだけで、お客さんが「気付いていない問題」を発見できます。
理解を深めるため「SPIN話法」の概念について、Aさんと先生の対話形式で説明します。
Aさん:「先生、SPIN話法って聞いたことあるんですが、どんな営業手法なんですか?」
先生:「例を挙げて説明しましょう。あなたがコピー機の営業マンだとして、お客様との会話を再現してみましょう」
先生:「まず、Situation(状況)質問です。『御社では、どのくらいの頻度でコピーを使用されていますか?』」
Aさん:「あぁ、状況を把握する質問なんですね」
先生:「その通り。次にProblem(問題)質問です。『今お使いのコピー機で、紙詰まりなどのトラブルは起きていませんか?』」
Aさん:「なるほど。問題点を掘り下げるんですね」
先生:「そうです。続いてImplication(影響)質問です。『紙詰まりが起きると、どのくらい業務に支障が出ますか?』」
Aさん:「お客様の困りごとの影響度を具体的にイメージさせる…!」
先生:「最後にNeed-payoff(解決必要性)質問です。『もし紙詰まりのトラブルが解消されたら、どのくらい業務効率が上がると思われますか?』」
Aさん:「なるほど!お客様自身に解決策の価値を実感してもらうんですね!」
先生:「その通りです。このように段階的に質問することで、お客様自身が問題に気づき、解決策の必要性を感じてくれるんです」
Aさん:「押し付けがましくなく、自然な流れで商談ができそうですね」
先生:「その通りです。お客様の立場に立って、本当の課題解決ができれば、自然と信頼関係も築けますよ」
このフレームワークに沿って商談を進めるだけで「商談の流れ」を確立できるため、ロールプレイングの時間を50%短縮できました。
SPIN話法:押し売り感がない【メリット】
SPIN話法のメリットは、顧客に課題を認識させることができる点です。
営業にありがちな「押し売り感」なく提案することができます。
多くの営業提案は「不要な提案」と見なされます。なぜなら、一方的に商品を売り込もうとするからです。「営業電話があり、断りきれずに打ち合わせを設定してしまった」というケースは少なくありません。これが失注が増える一因です。
SPIN話法は、顧客がまだ把握していない問題を発見し、具体的な改善策を提示するフレームワークです。そのため顧客は提案を真剣に検討してくれます。
結果として信頼向上に繋がり、受注率も向上します。
営業担当者にとって信頼は不可欠です。課題解決と信頼獲得を両立できるSPIN話法は、強力な武器となります。
SPIN話法のデメリット
デメリットは、お客さんと関係構築が必要なこと。
初対面でSPIN話法を使うと、不快に感じる人もいるからです。
例えば、初対面の担当者に「売り上げはどうなっていますか?」と聞かれると、一部の人は不快に感じるでしょう。
初対面のお客様にSPIN話法を使う場合、「本日は、課題についてお聞きしたいのですが、よろしいでしょうか?」と、最初に許可を得ることが重要です。
丁寧な言葉遣いを使用することで、不快感を避けることができます。
SPIN話法の使い方【例文付き解説】

SPIN話法の使い方は、S→P→I→Nの順に、ヒアリングするだけ。
ポイントは、自然に「状況質問」に持っていくこと。押し売り感が出ると、警戒されてしまいます。

アイスブレイクで状況質問(現状と理想の質問)を話すと、自然に会話が進むのでオススメです。
ここからは、SPIN話法の使い方を「車を売りたいクライアント」を例にご紹介します。
状況質問(現状と理想の質問)
状況質問とは、「現在の状況」と「理想的な状態」に関する質問です。
現在の状況と理想的な状態のギャップが「課題」となります。
SPIN話法は、「お客様自身も気づいていない課題を見つけることが目的」なので、状況質問は非常に重要です。



以下、例文をそのまま使ってヒアリングしてみましょう。
例文
あなた「差し支えなければ、理想の販売台数と今の販売台数を教えていただけますか?」
クライアント「月5台売りたいんだよね。でも、今は月1台しか売れてないよ」
課題を引き出すのに有効な方法が
オープンクエッションです。
オープンクエッションとは「YES、NO」答えられない質問です。
オープンクエッションを使うと会話が広がります。
情報を引き出せるため、いろいろな課題が見つかりやすいです。



注意点は、質問しすぎないこと
質問が多いと、尋問のような悪印象を与えますので、多くても3つまでにしましょう。
問題質問(悩みを明確化)
問題質問とは、現状と理想の差から「悩みを明確化」する質問です。
状況質問から、
具体的な悩みに
落とし込むフェーズです。



悩みを達成するには何が必要か、明確にします。
例文
あなた「目標達成するには、何が必要ですかね?」
クライアント「目標は、月5台の注文が欲しい。でも毎月1台しか売れない」
クライアント「もっと見込み客の来店を増やす必要があるけど、お金も人手も足りないんだよね」
あなた「お金と人手が足りないのですね…」
悩みを深く掘り下げる方法は、クローズドクエッションがおすすめです。
クローズドクエスチョンとは
オープンクエッションの逆。
YesかNoで答えられる質問です。
クローズドクエッションを使うときの注意点は、質問を過多にしないこと。なぜなら、尋問になってしまうからです。



クローズドクエッションも3つまでがおすすめです。
示唆質問(理想の状態になれそうですか?)
示唆質問は、「現在の状態から理想的な状態になることは可能ですか?」という質問です。
「問題質問」によって掘り下げた問題が、将来どのような影響を及ぼすかを伝える段階です。



問題を放置したら1年後どうなる?を伝えます。
例文
あなた「今の状態で、今年、来年あたりで、目標達成できそうですか?」
クライアント「…正直、厳しいね…」
あなた「1年後は、さらに電気自動車が普及してくるので、電気自動車への販売シフト計画が必要ですね」



ポイントは、脅し(おどし)すぎないこと。
たとえば、「このままでは倒産しますよ?」とか「社長に解雇されますよ」など脅すと、不信感が増し、逆効果になります。
「改善可能な前提」で、明るい未来(メリット)を伝えることが重要です。
以下の記事は、明るい未来を見つける方法について学べる書籍です。
解決質問(こんな解決法がありますよ)
最後は解決質問。
「こんな解決方法あります、お時間いただけますか?」という質問です。
ギャップを埋めて解決できることを伝えます。「次回のお時間いただけますか?」と話せばOKがでるはず。
例文
あなた「実は、○○という商品で、人件費を50%カットできるんですよ」
クライアント「なにそれ!教えてよ」
あなた「もしよろしければ、問題解決の提案をさせていただきたく、お時間いただけますか?」
このとき「他社の成功事例」を共有するのがポイント。
「A社も同じことをして目標を達成してます」と伝えておけば、「改善できる」と思ってもらえるので、さらに興味持ってもらえます。
「検討します」を回避する3C+2C分析



SPIN話法使っても、興味持ってくれなかったらどうするの?
興味を持ってもらえない場合、
提案価値をもっと高める必要があります。
企業や担当者は損をしたくないので
常に他社と比較しています。
「商談は順調だったのに、なぜか他社と契約されてしまった…」
このようなケースは、比較検討が行われ、他社の商品に魅力を感じてしまった場合がほとんど。
魅力的な商品が見つかれば、顧客の意思が変わるのは当然です。


そこで重要なのは、3C+2C分析です。従来の3C分析に2C(顧客の客と顧客の競合)を加えた分析手法です。
例えば、マクドナルドに「売上向上施策」を提案行く場合、「食材の仕入先」と「卸売業者」を分析します。
3Cのみで商談した場合浅い提案になりがちですが、2Cを加えることで「原価を抑えながら売上UP」など、他社にはできない提案が可能です。
「他社に負けない自社の強み」を強調できるので、比較検討させません。
実体験:SPIN話法で商談が楽になる【ロープレ不要】
商談が決まると、不安を感じませんか?
あの重苦しいカウントダウン。商談の1週間前になると胃が重くなり、準備時間に追われる毎日…
「何を言われるのだろうか」「想定外の質問が来たらどうしよう」



不安で夜も眠れないこともあります。
特に辛かったのは、上司とのロールプレイングでした。あれは本当に苦痛でした。
何時間もかけても、実際の商談で役に立たないことが多く、そのうえロールプレイングを重視する上司にはうんざりしていました。
そんな苦しい時期に出会ったのが、「大型商談を成約に導くSPIN営業術」という本です。この本は、私の商談の進め方を根本から変えました。
まず、商談の準備時間が大幅に短縮されました。以前は1週間かかっていたのが、今では1日で終わるようになりました。
- 「何を話すか」考える時間が短くなった
- ロープレが短くなった
- たいして読まれない、無駄な資料を作らないため
なぜこれほど効果があったのか。それは、SPIN話法がとてもシンプルなフレームワークだからです。
「クライアントは今どんな課題を抱えているか?」と仮説を立て、対策を事前にネットで調べておけば十分です。商談中に想定外の課題が出ても、一度持ち帰って対応すれば問題ありません。
SPIN話法を軸に商談を進めるようになってから、次のような変化を感じました。
- 上司に認められ、ロールプレイがなくなった
- 他の顧客対応に時間を使えるようになった
- 商談前の不安がなくなり、仕事に行くのが楽しみになった
もしあなたも、商談前のプレッシャーや準備の負担に悩んでいるなら、「SPIN話法で何を話すか」に集中してみてください。
私と同じように、あなたも商談の不安から解放されるはずです。
SPIN話法を習得するトレーニング【おすすめ本紹介】
SPIN話法を使いこなすには、実践的なトレーニングが欠かせません。
実際の商談では、相手の話を聞きながら的確に質問するだけで精一杯になりがちだからです。
そうした場面に備えて、事前に練習しておくことが大切です。
繰り返しトレーニングすれば、呼吸するように自然とSPIN話法が使えるようになります。



書籍「大型商談を成約に導くSPIN営業術」を参考にしてます。
質問は絞る
SPIN話法を用いる際の質問は、3つまでに絞りましょう。
なぜなら、人間は3つ以上の質問を連続して受けると、ストレスを感じやすくなるからです。
商談相手は感情を持った人間であり、ロボットではありません。よほど良好な関係性が構築できていない限り、多くの質問に快く答えてもらうのは難しいです。
事前準備すること
2つ目のトレーニング方法は、事前準備として「質問と想定される回答」を複数パターン用意することです。
この質問と回答を用意する作業自体が、頭の中で行うロールプレイング(思考のロープレ)になります。
例えば、気になる女性をデートに誘うとき質問と回答を用意しますよね。経験を重ねることで、どんな女性にも応用が利くようになります。



思考することは、頭の筋トレです。
質問と回答を作る手順は3ステップ。
- 仮説を作る(なぜ悩んでいるか)
- 質問を考える(SPIN)
- 回答を用意する
結果的に、SPIN話法が身につき、ヒアリング力が身につきます。
ロープレ(筋トレ)
SPIN話法を効率よく身に付けるには、ロールプレイングが有効です。
商談はイレギュラーの連続だからです。
例えば、バスケットボール初心者はレイアップシュートの成功率が低いです。しかし、プロ選手はほぼ100%成功します。ロープレをすることで成功率があがります。
SPIN話法の習得は、短期的な取り組みでは完了しません。筋力トレーニングと同じように、継続的に実践し、身体で覚えることで、どのような状況でも反射的に対応できるようになります。
SPIN話法:お客さんが気付いていない課題が見つかります【まとめ】
まとめです。
SPIN話法を使うと、お客さんに「気付いていない課題」を気づかせることができます。
結果的に、以下メリットを得られます。
- 押し売りしないでも売れる
- 顧客から信頼される
- 商談準備が楽になる
書籍「大型商談を成約に導くSPIN営業術」を読めば、SPIN話法をマスターできます。
本書を読まなければ、1年先も、売り上げ未達成が続き、精神的に厳しいかもしれません。
たった1,000円で、売上目標100%達成のスキルが身につくなんて、効率的だと思いませんか?


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