『ポチらせる文章術』は、大橋一慶さんが書いたコピーライティングの本です。
大橋さんは、以前は話すことが苦手で、営業の成績も良くありませんでした。しかし、文章の力で商品を売るコピーライティングに可能性を見つけ、多くの会社の売り上げを大きく伸ばしてきた実績があります。
この本は、単なるコピーライティングの技術を解説するだけでなく、お客様の気持ちを理解し、商品の本当の価値を伝えるためのマーケティングの考え方を学べる一冊です。
「必要としている人に、必要としているものを売る」という原則を深く掘り下げているため、ウェブサイトの購入率を上げたり、ウェブ広告やキャッチコピーの質を高めたりすることができます。
これから読む方に向けて、Webコンサルティングの視点から、どのような気づきが得られるのか、どんな未来が待っているのかご紹介します。
この記事を書いている人

- Audible利用歴5年
- SEO検定1級合格
- 東証スタンダード会社員










【要約でサクッと理解】ポチらせる文章術の全体像と7章ポイント
本書では、読み手の心を動かし、商品購入につながる文章の書き方を学べます。
本の目次
【第1章】「興味ねー→いらねー→読まねー」負け組文章からの抜け方
【第2章】その商品が本当に欲しい人って誰
【第3章】専門的なモノだし、値段も高い。なのに、めっちゃ売れるやん!
【第4章】たった数行で読み手の心をつかむ技術
【第5章】書かないほど売れるボディコピーの書き方とは
【第6章】1%の人しか知らない どのネット媒体にも効く3大ポイント
【第7章】WEB媒体ごとのツボを知り 倍々で結果を出す
本書は、対話形式のストーリーで、漫画のように読み進められるので、読書が苦手な方でも1時間で読み終えられます。

登場人物は、
著者の大橋さんと、
いろはさんです。
いろはさんは、自社の商品が売れずに悩んでいます。

売れずに悩んでいるいろはさんへ、大橋さんが文章作成のアドバイスをします。アドバイスを通じ、サイトの売上が上がっていくストーリーです。
顧客は未来を買う─ポチらせる文章術で押さえるべきベネフィットの概念
本書の最も重要なキーワードは「ベネフィット」という考え方です。
著者の大橋さんによると、顧客は商品そのものではなく、「商品を使うことで手に入れられる、幸せな未来」を買っているのです。
ここで大切なのは、ベネフィットとメリットの違いです。メリットは「ベネフィットを手に入れるための理由」にすぎません。
- メリット:レスポンシブ対応、高速表示、SEO対策済み
- ベネフィット:モバイルユーザーからの問い合わせが増え、売上が30%向上する
ウェブサイトやランディングページでは、機能や性能だけをアピールし、お客様が本当に手に入れたい未来のイメージを伝えきれていないケースがよくあります。
ウェブコンサルタントには、お客様のサービスの本当の価値を見つけ出し、その価値を軸とした戦略を立てることが求められています。
「無関心」を「欲しい!」に変える 【ポチらせる文章術 要約】
本書を読むと、売れない商品でも売れるようになります。
なぜなら、「興味がない」状態から「これが欲しい!」という気持ちに変える文章の技術を学べるからです。
本書からオススメを3つ抜粋します。
記事を書いてるが反応が薄い……

本書は、「記事を書いているのに、まったく反応がない」と悩んでいる方におすすめです。
なぜなら、反応を高めるベネフィットの作り方を学べるからです。
記事への反応が少ないのは、商品の特徴ばかりを書いている場合が多いです。人は、特徴ではなくベネフィット(幸せな未来)に反応するものです。
例えば、アイフォン13を買う時、
アイフォン13は、49045画素です。
と言われるよりも、
アイフォン13は、プロのカメラマンのように撮影できます。
と言われたほうが、買いたくなりませんか?
本書では、現役ライターの大橋さんから、ベネフィットの作り方を学べます。そのため、人の心を動かす文章を作成するヒントが得られます。
セールスレターを書いているが、開封率が10%未満……

本書は、「セールスレターを書いても、開封率が10%未満で困っている」という方におすすめです。
なぜなら、クリック率を高めるタイトルの作り方を学べるからです。
開封率を上げるには、思わずクリックしたくなるようなタイトルを作ることが重要になります。本書には、心理学を取り入れた、思わずクリックしたくなるタイトルの「型」が紹介されています。
その型を自分の商品に当てはめるだけで、魅力的なタイトルを作成できます。結果として、開封率が上がり、仕事で良い成果を出すことができるでしょう。
ブログ頑張ってるけど、1年以上稼げてない…

本書は、「ブログを1年間頑張ったのに、収益がゼロ円だ…」と悩んでいる方におすすめです。
なぜなら、人を動かす文章の力が身につくからです。
商品が売れるのは、人が行動を起こす時であり、そのタイミングは2つしかありません。
- 快楽を求める時
- 苦痛を避けたい時
本書には、快楽と苦痛を読者に想像させ、購入へとつなげる技術を学ぶことができます。
本書に書かれている「型」を真似するだけで、人の心を動かす文章が書けるようになります。
ポチらせる文章術の極意:心理学で広告コンバージョンを劇的改善する
『ポチらせる文章術』の特筆すべき点は、心理学的な知識を取り入れた、人を納得させるための技術が豊富に紹介されている点です。
- ザイガニック効果:
- 
「〇〇だった状態が、××になりました」という形式。 例:「離脱率60%のLPが、たった2週間で成約率3倍に生まれ変わりました」 
- バンドワゴン効果:
- 
多くの人が選んでいるものを自分も選びたいという心理。Webサイトでは「○○社導入実績」「××人が利用中」といった社会的証明の表示が効果的です。 
- ストーリーテリングの力:
- 
ストーリー性のある広告はレスポンスが実際にアップします2。単なる機能紹介ではなく、「どんな課題があり、どのようなプロセスを経て、どんな結果が得られたか」というストーリーで伝えることで、読者の共感を得られます。 
これらの心理テクニックは、抽象的な表現より具体的な言葉を使うことでより効果を発揮します。
Web広告のコンサルティング業務における問題解決
昨年の夏、ある美容系ECサイトの広告コンサルティングを担当することになりました。
このクライアントは新しいスキンケアラインを立ち上げたばかりで、広告費を相当投入していたにもかかわらず、商品ページへの流入はあるものの、実際の購入率が極めて低いという悩みを抱えていました。
具体的には月間50万円の広告費に対して、売上が20万円程度と赤字続きの状態…
改善のため、最初にランディングページを確認したところ、商品の特徴や成分については詳しく書かれていましたが、「なぜこの商品を選ぶべきなのか」という、納得できる理由がはっきりと示されていませんでした。
また、ターゲットである30代から40代の女性が抱える具体的な悩みや課題を、この商品でどのように解決できるのか、という提示もされていませんでした。
ザイガニック効果
ここで私は『ポチらせる文章術』で学んだ心理テクニックを活用することにしました。

まず、ザイガニック効果を取り入れるため、実際に商品を使用した顧客の「ビフォーアフター」の体験談を一番目立つように提案しました。
「乾燥して粉をふいていた肌が、使用開始から2週間で水分量が1.8倍になりました」といった具体的な数字を含んだ事例を複数載せることで、未完成な状態から完成した状態への変化を強調しました。
バンドワゴン効果
次に、バンドワゴン効果を活用するため、「すでに3,500人以上の女性が実感!」といった社会的証明や、実際の購入者のリアルな口コミを集め、星評価とともに見やすく配置しました。
特に影響力のある美容系インフルエンサー3名の詳細なレビューを掲載することで、信頼性を高めました。
ストーリーテリング
さらに、ストーリーテリングの力を活用するため、商品開発者のストーリーを追加しました。
開発者自身が敏感肌で悩んでいたこと、市販の商品で改善しなかったために研究を始めたこと、そして3年間の試行錯誤の末にこの商品が生まれたという物語です。
このストーリーを通じて、単なる商品紹介ではなく、「共感できる課題」から「解決に至るプロセス」、そして「具体的な成果」という流れを作り上げました。
具体的な言葉を使うこと
また、抽象的な表現を避け、より具体的な言葉を使うよう心がけました。
「肌にいい成分」ではなく「角質層の水分量を48時間キープする保湿成分」といった表現に変更し、「お肌がきれいになる」ではなく「洗顔後の突っ張り感が7日間で軽減」というような具体的な効果を示しました。

これらの改善に加え、購入へのハードルを下げるために「30日間全額返金保証」を目立つ場所に配置し、「初回限定30%OFF」といった限定性や緊急性を強調するメッセージも追加しました。
思考プロセスとして、最初に「なぜ購入に至らないのか」という根本的な課題を特定することから始めました。Googleアナリティクスのデータから、ランディングページでの滞在時間が比較的長いことが分かったため、商品には興味があるものの「購入への最後の一押し」が足りないと分析しました。そこで、心理的なきっかけとなる要素を段階的に追加していく戦略を立てました。
約1ヶ月で、購入コンバージョン率は1.2%から4.8%へと向上
改善策を実施してから約1ヶ月で、購入コンバージョン率は1.2%から4.8%へと4倍に向上し、広告費50万円に対して売上が180万円を記録するまでになりました。
特に印象的だったのは、リピート購入率も14%から32%へと大幅に上昇したことで、一度購入したお客様が継続して利用してくれるようになったのです。
この経験から学んだことは、技術的なSEOやリスティング広告の知識だけでなく、人間の心理を理解し、それに基づいた説得力のあるコンテンツ設計が極めて重要だということです。
特に「なぜこの商品が必要なのか」を論理と感情の両面から伝えることの重要性を実感しました。
Webコンサル直伝!「ポチらせる文章術」で使えるキャッチコピーフォーマット4選

本書の実践的価値が最も発揮されるのが「すぐに使えるコピーフォーマット」です。
大橋氏は複数のキャッチコピーのテンプレートを紹介していますが、Webコンサルティングの現場で特に活用しやすいものを挙げてみましょう。
- Before-After型:
- 
「〇〇だった状態が、××になりました」という形式。 例:「離脱率60%のLPが、たった2週間で成約率3倍に生まれ変わりました」 
- 理由提示型:
- 
「なぜ〇〇なのか?」という疑問を投げかける形式。 例:「なぜ当社のSEO施策は、競合よりも早く結果が出るのか?」 
- 秘密暴露型:
- 
「知られざる〇〇の秘密」という形式。 例:「トップコンバーターだけが実践している、7つのUX改善の秘訣」 
- 数字活用型:
- 
具体的な数字を用いて信頼性を高める形式。 例:「たった3つの改善で、サイト滞在時間が2.5倍になった方法」 
これらのフォーマットは会話形式で紹介されているため読みやすく、実践的な例題も豊富に掲載されているのが特徴です。
ブログのキャッチコピーや、SNS投稿の見出しにも応用可能で、様々なシチュエーションで活用できます。
Web媒体に応じた文章の最適化

『ポチらせる文章術』では、様々なWeb媒体に応じた文章の最適化方法についても言及しています。
ランディングページの場合
『ポチらせる文章術』の原則を応用すると、以下のようにLPを改善することができます。
- ヘッドライン:ターゲット顧客のペインポイントに刺さるキャッチコピーを配置する
- サブヘッドライン:メインのヘッドラインを補足し、主要なベネフィットを伝える
- ベネフィットリスト:箇条書きで明確に伝え、スキャンしやすくする
- 社会的証明:使用者の声や実績データを効果的に配置する
- CTA(Call To Action):行動を促す文言を心理的ハードルが低くなるよう工夫する
特に重要なのは、ページ全体を通じて一貫したストーリーを語ることです。
顧客の問題を理解していることを示し、その解決策を提示し、行動を促す—この流れが効果的なLPの骨格となります。
メールマーケティングの場合
メールマーケティングでは、まず開封してもらうことが最初の関門(かんもん)です。
『ポチらせる文章術』の手法を用いると、以下のような改善が可能です。
- 件名:好奇心を刺激する、価値を明確に示す、緊急性を伝える
- 本文の書き出し:読者の状況や悩みに共感を示す文章から始める
- ストーリー展開:問題→解決策→結果という流れで展開する
- パーソナライズ:読者個人に語りかけるような文体を使う
例えば、「今日だけのお知らせ」よりも「【期間限定】あなたの売上を30%アップさせる3つの秘訣」のような件名の方が開封率が高まります。
SNSマーケティングの場合
SNSでの発信にも『ポチらせる文章術』の考え方は応用できます。
- キャッチーな書き出し:最初の一文で注目を集める
- 視覚的要素との連携:文章と画像が相互に補完し合うよう工夫する
- エンゲージメントを促す問いかけ:読者の反応を引き出す質問を投げかける
- シェアしたくなる価値:「これを共有すれば自分も価値ある人間に見える」と思わせる内容
Webコンサルタントとして、これらの媒体別最適化戦略を理解し、クライアントのWebマーケティング全体に一貫して適用することで、総合的な成果向上に貢献することができます。
『ポチらせる文章術』と他のライティング本との違いは?
世の中には優れたライティング本がたくさんあります。
私もWebコンサルタントとして多くの本を読んできましたが、その中でも本書が際立っている点を、有名な2冊と比較してみました。
| 書籍名 | ポチらせる文章術 | 沈黙のWebライティング | 10倍売れるWebコピーライティング | 
| 対象読者 | 初心者〜中級者 | 初心者〜中級者 | 中級者〜上級者 | 
|---|---|---|---|
| 学べる内容 | 顧客心理、即効性のある型 | SEO、コンテンツ設計 | セールスファネル全体の設計 | 
| 特徴 | 対話形式で読みやすい | ストーリー形式で網羅的 | 実践的で本格的なノウハウ | 
| こんな人におすすめ | すぐに成果を出したい人 | ブログやサイト運営の基礎を固めたい人 | 本格的にセールスライターを目指す人 | 
このように、『ポチらせる文章術』の最大の特徴は、「心理学に基づいたテクニック」と「対話形式による分かりやすさ」にあります。難しい理論を覚えるのではなく、まるでお茶をしながらコンサルを受けているような感覚で、すぐに使える型が身につくのが魅力です。
【章別】本書で学べるポイントをサクッと解説
「具体的に、各章で何が分かるの?」という疑問にお答えします。私が特に重要だと感じたポイントを各章から抜き出しました。
- 第1章:「興味ない」の壁を壊す方法
- 読者が文章を読まない3つの壁(読まない、信じない、行動しない)を理解し、最初の「読まない」壁を突破するための文章の書き出し方が分かります。
 
- 第2章:本当に買う気があるお客様の見つけ方
- 商品を売る相手を間違えると、どんなに良い文章も響きません。たった一人の「理想のお客様」を見つけ出し、その人に深く突き刺さるメッセージを作る方法を学びます。
 
- 第3章:商品の価値を最大限に引き出す技術
- 商品の特徴をただ並べるだけでは売れません。お客様が本当に求めている「未来(ベネフィット)」を見つけ出し、商品の価値として伝える具体的な方法が分かります。
 
- 第4章:冒頭3行で心をつかむキャッチコピー術
- メールの件名やブログのタイトルなど、読者が続きを読むかどうかを決める「つかみ」の技術を学びます。本書で紹介されている「型」に当てはめるだけで、クリック率が変わるのを実感できるはずです。
 
- 第5章:「書かない」ことで逆に売上を上げる方法
- 情報を詰め込みすぎると、読者は疲れて離脱します。伝えるべき情報を絞り込み、お客様の声(レビュー)などを効果的に使って、売り手ではなく第三者に語ってもらうテクニックが分かります。
 
- 第6章:媒体を問わず効果を発揮する3つの急所
- どんな媒体でも共通して効果のある「限定性」「緊急性」「社会的証明」という3つの心理トリガーの使い方を学びます。これを使いこなせると、コンバージョン率は大きく改善します。
 
- 第7.章:媒体ごとの特性を活かした文章術
- ブログ、LP、メルマガ、SNSなど、媒体によって読者の心理状態や最適な文章は異なります。それぞれの媒体で最も効果的な文章の型とアプローチ方法が分かります。
 
実践する上での3つの注意点
この本を読んで、「よし、やってみよう!」と思っても、いざ実践するとなると手が止まってしまうかもしれません。私自身もそうでした。
そこで、Webコンサルタントとして実践してきた経験から、3つの注意点をお伝えします。
いきなり全部やろうとしない
本書にはたくさんのテクニックが詰まっていますが、一度にすべてを実践しようとすると挫折します。まずは、一番簡単そうだと感じた「キャッチコピーの型」を1つだけ試す、というように小さなステップで始めましょう。
私の場合は、ブログ記事のタイトルを本書の型に合わせて変えただけで、クリック率が1.5倍に上がりました。この小さな成功が、次の行動へのモチベーションになります。
ターゲット設定を絶対に妥協しない
第2章で解説されている「理想のお客様」の設定は、この本の心臓部です。ここが曖昧なままテクニックに走っても、誰にも響かない文章が出来上がってしまいます。
「30代の女性」といった広い括りではなく、「35歳、都心で働き、週末はヨガに通う独身女性。最近、肌のくすみが気になり始めている」というように、実在する人物のように具体的に設定することが成功の鍵です。
効果測定をセットで行う
文章を改善したら、必ず効果測定をしてください。
例えばLPの文章を修正したら、Googleアナリティクスでコンバージョン率の変化を追いかけます。何が良くて、何が悪かったのかを数字で把握することで、改善の精度が上がります。感覚だけで進めると、いつまでも成果は安定しません。
たった¥1,000で身につく!売上を加速させるポチらせる文章術【要約まとめ】
まとめです。
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